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労務情報

【直行直帰の労働時間管理の注意点】 ~ 小さな誤解が大きなトラブルに?労働時間の管理とルール決め ~

公開日:2019年9月26日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:特定社会保険労務士 馬場栄

時間管理の重要性

コスモスが秋風に揺れる頃となりましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
ヒューマンテクノロジーズの渡邉です。

前回のブログでは、「労働時間」と「拘束時間(在社時間)」の管理の重要性をご理解いただいたかと存じます。
労働時間の中でも、時間外労働時間の管理が特に重要視されていますが、「直行直帰」の際の労働時間は、どのように管理されていらっしゃいますか?
今回は、「直行直帰の労働時間」に関して、以下2点をご案内します。

・スケジュールパターンでの労働時間の管理
・携帯電話やスマートフォンを使い、現場から打刻



スケジュールパターンでの労働時間の管理

「直行直帰」の場合、会社にあるタイムレコーダーで打刻を行なうことができません。
しかし、実際に勤務をしているので、労働時間を集計しないわけにはいきません。

本製品では、「直行直帰」用のスケジュールパターンを作成することができます。
「直行直帰」用のスケジュールパターンを使えば、設定している出勤予定時間 ~ 退勤予定時間を、打刻無しで労働時間として計上できます。
スケジュールパターンを登録するだけなので、従業員の打刻申請や、管理者での打刻データの編集が不要になります。

スケジュール作成

スケジュールパターンの設定方法は、こちらをご参照ください。

☞ 直行や直帰などは、どのように管理すればよいです?

 >>> 詳しくはこちら



社労士からのアドバイス

労働時間の管理は企業の義務

労働時間管理は一部の管理監督者と、みなし労働時間制を取っている社員以外は、全て管理しなければいけません。

従って
『社員が労働時間を報告しなかった』
『当社は直行直帰が多いので、把握できない』
といった言い訳は通用しません。


タイムカードで直行直帰記載時の留意点

タイムカードで時間管理をしている企業は、特に直行直帰の労働時間管理に留意する必要があります。

・割と多いのは本人がタイムカードに記載せず、会社の所定労働時間で処理しているケース
・本人がタイムカードに記載した時間を無視、または修正させ会社の所定労働時間で処理しているケース

これらは管理が不十分であり、特に本人の記載時間を修正させた場合、『改ざん指示』とも受け取られかねませんので、現在そのような管理を行っているのであれば、すぐに是正しましょう。


そもそも直行直帰の法律上のルールを整理してみよう

自宅から業務を行う現場まで直接赴き、その現場から会社へ立ち寄ることなく帰宅する場合、現場に到着、または帰宅するまでは通勤時間として扱う。
現場での業務開始時刻(管理監督者からの指揮命令を受けていた時刻)から解放された時刻までが労働時間となります。(これが直行直帰の労働時間管理の原則)

EX)
自宅を7時に出たが現場についたのは10時(会社の始業時刻は9時)
現場を離れたのは16時で帰宅は20時(会社の就業時刻は18時)のケース

この場合の労働時間は10時~16時(休憩があれば差し引く)となります。
7時~20時までは拘束時間であり、労働時間ではありません。
ただし、実務上は労働時間が、所定労働時間に満たないので、給与を減額するのかどうかといった議論にならないよう、9時~18時で集計するのが一般的です。



携帯電話やスマートフォンを使い、現場から打刻

「直行直帰の場合でも、実際の勤務時間で労働時間を管理したい」というお問い合わせをいただくことがございます。
実際の勤務時間となると、従業員による打刻が必要です。
本製品では、携帯電話やスマートフォンでも、出退勤の打刻ができます。
また、打刻時に位置情報を取得し、従業員がどこで打刻したのかを管理画面で確認することもできます。

モバイルでの打刻画面

利用方法はこちらをご参照ください。

☞ 【Myレコーダー】【携帯ブラウザ打刻】利用開始方法

 >>> 詳しくはこちら

☞ 携帯電話(フィーチャーフォン)から打刻することはできますか?

 >>> 詳しくはこちら



社労士からのアドバイス

クラウド型勤怠は直行直帰の管理に向いている

直行・直帰は前述の通り現場で指揮命令を受けた時間から労働時間がスタートする。
その管理で有効な手段がクラウド型勤怠です。

クラウド型勤怠の打刻方法で、スマホや携帯での打刻管理を行えば、GPSで場所のデータも収集することができます。

即ち業務開始現場で直接労働時間を収集することができ、かつ場所を特定することもできるので不正打刻防止にも有効であることは間違いありません。


クラウド型勤怠で注意しなければならない点は

しかしながら、クラウド型勤怠も万能ではないので、留意しなければならない点を整理しましょう。

クラウド勤怠で労働時間を把握しても、始業開始前や終業後にメールやSMS等で作業内容の報告、日報等を求めたなら、そのメールを送信した時刻が始業または終業時刻とも受け取られ兼ねない点です。

最近頂いたご相談でも、会社が把握した労働時間と、報告メール送信時刻との乖離分の差額残業代を請求されるケースが発生しました。


業務指示のメールでの決めごとを守らせる

そこでこのメール対策ですが
『この報告は9時~18時までの就業時間に行うこと』
『就業時間外に報告を行った場合、懲戒処分の対象となる場合がある』
といった文言を添えて行うようにしましょう。
小さな誤解が大きなトラブルに発展しないよう日頃からメール等の送信も一定のルールを策定しましょう。




以上、「直行直帰の労働時間の管理」についてご案内いたしました。
本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は、「SNSの不適切利用」について、お伝えする予定です。

心地よい秋空の下、さわやかな秋をお健やかにお過ごしください。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

 
 
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