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労務情報

【メンタルヘルスの社内規定と最新検査方法】~見直そう!休職と復職のルールを明文化していますか?~

公開日:2019年11月14日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:特定社会保険労務士 馬場栄

メンタルヘルスの社内規定と最新検査方法

枯葉舞い散る季節となりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
ヒューマンテクノロジーズの渡邉です。

前回に引き続き、「メンタルヘルス」をテーマにお話しします。
ストレス社会と呼ばれる現代では、メンタルの不調により休職する人も少なくありません。
また、休職をし、焦って自己判断で復職しても、メンタル不調が再発して再休職するという事例もあります。

休職期間は?復職時の基準は?
あらかじめ社内のルールを明文化し、いざという時に備えましょう。
前回は KING OF TIME の休職処理についてご案内しましたので、
今回は、人事管理システム huubHR の休職処理機能をご案内します。

人事管理システム huubHR の休職処理機能

休職期間、理由、休職に関するメモを登録できます。
また、複数個を登録できるので、休職と復職を繰り返した場合でも、それぞれ分けて管理ができます。
管理者が直接入力することも、申請フォームを作成すれば従業員が申請を出すこともできます。
申請フォームの設定では、画像を添付することもできるので、従業員が診断書の提出する際にも役立ちます。

huubHR の休職処理機能
設定した終了日を過ぎると、自動で休職者から外れます。

☞ 休職中の従業員はどのように設定すればいいですか?

 >>> 詳しくはこちら

☞ 従業員から登録内容の変更を申請するにはどうすればよいですか?

 >>> 詳しくはこちら


社労士からのアドバイス

メンタルヘルスでの会社の立ち位置

10年くらい前は、経営者から受けるメンタルの相談というと「うちでは対応できないから解雇できないか」 「自主退職させるためにはどうしたら良いか」などネガティブな相談が多かったです。

しかし、メンタル不全ということだけで、解雇や退職とすることは、ハードルが高く現実的ではありません。

なぜなら、仮に会社が解雇や退職としたとしても、本人やその家族が受け入れてくれず、在籍中の職場関係や会社の対応について問題化されたり、解雇や退職が不当であるとして訴えられるケースもあります。
裁判となれば、企業側の努力として、業務量を減らす、休職制度を活用するなど、解雇を回避するための努力をして、それでもやむを得ない事情があったかどうかが問われ、それらがなければ会社にとって厳しい結果となるからです。

<参考判例 ヒューレット・パッカード事件(最判平 24.4.27)>
精神的な不調のために欠勤を続けていると認められる労働者に対して行われた、無断欠勤を理由とする諭旨解雇処分が、懲戒事由を欠くとして無効とされた例。

裁判所は、
・精神的な不調のため欠勤を続けている労働者に対し、医師の診断を勧め
・その結果に基づき、休職等の処分を検討し
・その後の経過を見るなどの対応を採るべき

として、そのような対応を取らず、無断欠勤を理由として諭旨解雇処分を行ったことは違法であると判断しています。


休職規定の作成のポイント

社員がメンタル不調で働くことができない場合、会社としては、休職期間を設けて休んで頂く方法を検討することになりますが、では、その休職期間はどれくらいが妥当なのでしょうか。また、休職後はどのような対応を企業は取らなければならないのでしょうか。

そもそも休職制度は法的に義務はなく、任意の制度です。
休職制度を作成する際のポイントをご説明致します。

1.休職期間の設定
一般的な就業規則の雛形を見ると、休職期間は1年6ヶ月等と設定されていることがあります。
これは、健康保険の傷病手当金の受給期間と合わせているものと思われます。
ただ、1年6ヶ月もの間、欠員状態では、他の社員への負担は大きく、また、都合よその期間だけ働いてくれ、休職者の業務をカバーしてくれるような社員を雇うこともなかなか難しいでしょう。

一方、休職期間を極端に短くすることも公序良俗の観点では疑義が残ります。
例えば、休職期間1ヶ月で治らなければ退職のような規定では、休職期間満了での退職を意図していることが明確であるとして、事実上の解雇であるとの主張を受ける可能性もあります。
上記を踏まえると、メンタル不全に関する休職期間は3~6ヶ月程度が妥当であると考えます。

2.休職期間の通算限度
厚生労働省の「こころの耳」によると、うつ病の再発率は60%もあり、その後再発を繰り返すとさらに再発率が高くなるとされています。

☞ 「こころの耳」(厚生労働省)

 >>> 詳しくはこちら

つまり、メンタル不全により休職が複数回に及ぶケースも、十分考えられるということです。
そこで休職期間の通算限度を設定して、メンタル不全を繰り返し、休職期間が長期化するリスクに備えておきましょう。

3.症状の報告義務・会社指定の医師の受診義務を課す
前回もお伝えしましたが、メンタル不全で休職する場合、出来たら労働者の主治医にお会いして休職期間を確認することをオススメします。

休職期間が長い場合、1~3ヶ月を目安に、症状や治療状況、復職への見通しなどを報告してもらいましょう。
報告は必ず医師の診断書を提出してもらう形式で行います。
必要に応じて、会社が指定する医師に診てもらえるよう、就業規則に受診義務を規定しておきましょう。

4.復職基準
会社が定めた休職期間内に休職事由が消滅したと本人から申し出があった場合、会社はその社員を復職させるか否か検討し判断することになります。

その際に、復職基準が明確でないと、
「復職したかったが休職期間満了で退職させられた」
「短時間であれば勤務できるのに認められなかった」
「万全ではないため、業務を軽減してもらいたかったがダメだった」
など、労使間トラブルになってしまう可能性があります。

復職基準は大きく分けて2つあります。
(1)休職前と同じ業務ができるか
(2)休職前の業務よりも軽度なリハビリ業務ができるか
です。

どちらの基準レベルにするかは会社判断になります。
最近の裁判所のスタンスは、リハビリ業務をすれば、回復する見込みがあるのであれば、(2)でなるべく検討してください、というものが多いです。

ただ、中小企業では現実的にリハビリ業務を行う環境作りなど困難なことが多いため、トラブル防止の観点では、原則(1)の従前業務復帰を前提とした復職基準設定をし、休職前にその考え方を当該社員とすり合わせておくことが大事であると考えます。
出来たら労働者の主治医にお会いして、回復の程度、どのような仕事がどのくらい行えるのか(時間やストレス)等の確認もしましょう。

また、社内ではリハビリ出勤など難しい場合でも、リワーク(職場復帰支援プログラム。メンタル不全で休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーションを実施する機関で行われているプログラム)を活用することで、社員の職場復帰の促進や復職時の本人や会社、その他社員の負担軽減も期待できますので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

☞ リワークプログラムについて(一般社団法人日本うつ病リワーク協会)

 >>> 詳しくはこちら

☞ 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(厚生労働省)

 >>> 詳しくはこちら


最新のメンタル不全検査方法

脳の病気であるうつ病も、数値で診断することができることが、研究の結果により近年明らかになってきました。

光トポグラフィー検査は、『光トポグラフィー装置』を使い、脳活動に伴う⼤脳⽪質の⾎中ヘモグロビン濃度変化を計測します。

光トポグラフィ技術は、微弱な近⾚外光を⽤いて⼤脳⽪質部分を計測し、⾎流量のパターンは、健常、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症で異なり、それぞれ典型パターンで判断する方法です。
メンタルの社員対策としても検討できますが、健康診断で早期にメンタル不全者を発見することも検討できるので、新たな健康診断の一つに加えることも検討できます。



メンタル不調で休職した場合、焦らずじっくり治していくのが大事です。
会社側は、従業員が治療に専念できるように、休職・復職のルールをしっかりと整えるのが大事かもしれませんね。

今回ご紹介した 人事管理システム huubHR の、より詳細な情報は下記よりご覧ください。

☞ クラウド人事管理システム【 huubHR 】

 >>> 詳しくはこちら



以上、「メンタルヘルスの社内規定と最新検査方法」についてご案内いたしました。
本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は、「誓約書の効果」について、お伝えする予定です。

何かと忙しくなる師走まであと少し。心身共に、健やかにお過ごしください。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

 
 
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