監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄
今週のピックアップ
【労務情報】
◆ 助成額の上限額の引上げ
◆ 解雇等を行わない中小企業の助成率の拡充
◆「解雇等をせず雇用維持している」とは?
◆ 支給申請を既に行った場合の対応
◆ その他の変更内容
【KING OF TIME 情報】
◆ タイムカードの出力レイアウト設定
◆ タイムカード出力項目のカスタマイズ
◆ タイムカードの一括出力
☞ KING OF TIME 情報は 《 こちら 》
助成額の上限額の引上げ
雇用調整助成金の1人1日あたりの助成額の上限額が、8,330円→15,000円へ引上げられました。
今回の引上げにより、小学校休業等対応助成金の上限額と足並みが揃ったことになります。
この引上げは、企業規模を問わず適用されますので、大企業でも中小企業でも上限額は15,000円になるということです。
令和2年4月1日から9月30日までの期間で、休業および教育訓練が対象となります。
解雇等を行わない中小企業の助成率の拡充
こちらの拡充は中小企業が対象です。(大企業の助成率は原則3分の2、解雇等を行わず雇用を維持している場合4分の3の助成率については変更ありません)
変更前の中小企業の助成率は、原則は10分の8。解雇等をせず雇用を維持している場合の助成率は10分の9。それに加えて中小企業特例として、
① 要請を受け休業し、100%の休業手当を支払う等の一定要件を満たした場合
→ 休業手当全体の助成率が10分の10
② 休業要請を受けなくても、60%を超える休業手当を支払う場合
→ 60%超部分の休業手当の助成率が10分の10
との内容でしたが、今回の拡充により内容がシンプルとなり、解雇等をせず雇用を維持している中小企業の休業および教育訓練に対する助成率が、一律10分の10に引き上げられました。
助成額上限額の引上げと同様、こちらも令和2年4月1日から9月30日までの期間で、休業および教育訓練が対象となります。
「解雇等をせず雇用維持している」とは?
「解雇等をせず雇用維持している」に該当するには、以下の要件を共に満たす必要があります。
(1)令和2年1月24日から賃金締切期間(判定基礎期間)の末日までに、解雇等を行っていないこと。
(2)賃金締切期間(判定基礎期間)の末日時点の従業員数が、令和2年1月24日から賃金締切期間(判定基礎期間)の末日までの各月末時点の従業員数の平均の5分の4以上であること
上記(1)の「解雇等」には、退職勧奨による退職(離職票の喪失原因3(事業主都合)に該当)の場合、期間の定めのある労働者を解雇とみなされる雇止め、事業主都合による中途契約解除等をした場合、派遣労働者を事業主都合により中途契約解除等をした場合等も該当します。
助成率の上乗せについては、判定基礎期間ごとに判定されるのではなく、解雇等をした者の離職日以降いっさい上乗せされなくなりますので、ご注意ください。
支給申請を既に行った場合の対応
これから雇用調整助成金の支給申請を行う予定の会社は、上記拡充内容を反映し支給申請を行えば問題無いですが、既に支給申請を行った会社は、今回の拡充でどのように対応すればいいでしょうか?
(1)既に支給申請をしているが、雇用調整助成金の支給決定がなされていない会社
追加支給の手続きは不要になります。
差額(追加支給分)も含めて支給されますので、特段の対応は不要です。
なお、審査の状況によっては、差額(追加支給分)は令和2年7月以降に順次支払われる場合があります。
(2)既に雇用調整助成金の支給決定がなされた会社
こちらも、追加支給の手続きは不要になります。
既に支給した額との差額(追加支給分)は、令和2年7月以降に順次支払われますので、特段の対応は不要です。
(3)上記(1)(2)に該当する会社で、過去の休業手当を見直し(増額)、従業員に対し追加で休業手当の増額分を支給した場合
こちらに該当する場合は、追加支給の手続きが必要になります。
令和2年9月30日までに、必要書類を提出する必要があります。
その他の変更内容
緊急対応期間の延長
令和2年4月1日から同年6月30日までを緊急対応期間として各種特例措置が講じられておりますが、3か月延長され「令和2年4月1日から同年9月30日」に変更されました。
これにより、「生産量要件の緩和(確認期間3か月→1か月で5%減)」「被保険者期間要件の撤廃」「支給限度日数の撤廃」等の特例措置が、9月30日まで延長されます。
出向の特例措置等
雇用調整助成金の支給対象となる出向については、出向期間が「3か月以上1年以内」でしたが、緊急対応期間中は「1か月以上1年以内」に緩和されております。
緊急雇用安定助成金
雇用保険被保険者以外の社員への休業手当支払いに対する助成金は、雇用調整助成金ではなく緊急雇用安定助成金が対象となっておりますが、今回の拡充は緊急雇用安定助成金も対象となっております。
<ご参考>厚生労働省HP
☞ 雇用調整助成金の助成額の上限額を引き上げます
>>> 詳しくはこちら ※外部リンクに推移します
KING OF TIME 情報
今回は、先月お問い合わせの多かった、タイムカードの出力機能についてご案内いたします。
◆ タイムカードの出力レイアウト設定
◆ タイムカード出力項目のカスタマイズ
◆ タイムカードの一括出力
タイムカードの出力レイアウト設定
タイムカードの出力レイアウトは複数作成できます。必要に応じてレイアウトを選び、出力することができます。
出力レイアウト設定では、タイムカードを出力する際に表示する勤怠項目のほか、出力した際の時間の表示形式や捺印枠(3枠まで担当者を設定可)なども設定できます。
☞ タイムカード出力(PDF形式)の出力レイアウトを自由に作ることはできますか?
タイムカード出力項目のカスタマイズ
項目同士を合算して出力したい場合は、出力レイアウト設定にて「タイムカードカスタム項目」を作成してください。
☞ タイムカードPDF出力する際、項目同士を合算できますか?
タイムカードの一括出力
本システムでは、従業員全員分のタイムカードをPDF形式でまとめて出力できます。
Excel形式で出力したい場合は、タイムカード画面で個別に出力しなければなりません。「月別データ[CSV]」や「日別データ[CSV]」にて、月別・日別それぞれの集計データをCSV形式で出力することもできます。
☞ 全員分のタイムカードをまとめてエクスポートできますか?
☞ 全従業員のタイムカードを、Excel形式で一括出力できますか?
本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。