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労務情報

年末に総チェック!2021年の重要法改正情報

公開日:2020年12月24日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


年末に総チェック!2021年の重要法改正情報

今週のピックアップ

【労務情報】
◆ 子の看護休暇・介護休暇の時間単位の取得
◆ 障害者の法定雇用率引上げ
◆ 同一労働・同一賃金の中小企業適用
◆ 70歳までの就業機会の確保
◆ 中途採用者比率の公表義務
◆ 65歳以上の副業者への雇用保険適用
◆ 重要な法改正が2022年以降も沢山控えている


【KING OF TIME 情報】
◆ カスタムデータ項目設定とは
◆ 在社時間を表示するメリット
☞ KING OF TIME 情報は 《 こちら 》


子の看護休暇・介護休暇の時間単位の取得

施行日:2021年1月1日~
対 象:すべての企業

育児や介護を行う労働者が、子の看護休暇や介護休暇(以下、子の看護休暇等)を柔軟に取得することができるよう、育児・介護休業法が改正され、時間単位で取得できるようになります。

従来は、1日の所定労働時間が4時間以下の労働者の場合は半日単位での取得は出来ませんでしたが、時間単位での取得は全ての労働者が取得することが可能となります。また、取得単位の最小単位が「半日」から「時間」に変わりますので、就業規則の変更が必要となります。

なお、時間単位で取得できる休暇の時間数については、時間単位の年次有給休暇と同様に
「1日の所定労働時間数(※)に相当する時間数×5日(or10日)」
となります。

(※) 1日の所定労働時間数に1時間に満たない端数がある場合には、端数を時間単位に切り上げて計算する必要がある。
(※) 日によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1日平均所定労働時間数となる。

時間単位が認められたことで、年次有給休暇と制度内容が似ておりますが、違いがいくつかあります。例えば、今回の改正は取得単位が変わるだけですので、子の看護休暇・介護休暇を取得した際の賃金は、引き続き無給のままで問題ありません。

また、年次有給休暇の未取得分は翌年に繰り越されますが、子の看護休暇等は繰り越されません。なお、子の看護休暇等は1年間で5日(or10日)ですが、この1年間とは就業規則に特段の定めがない場合は「4/1~3/31」となります。

年次有給休暇を一斉付与(例えば、毎年10/1付与など)している場合は、年次有給休暇と期間を合わせた方が管理をしやすいので、就業規則に「子の看護休暇の1年間とは、10/1から1年間とします」等のルールをきちんと記載した方がよろしいでしょう。

<参考>厚生労働省HP

☞ 育児・介護休業法について

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


障害者の法定雇用率引上げ

施行日:2021年3月1日~
対 象:常時雇用する労働者数が43.5人以上の企業

障害者雇用促進法の法定雇用率が、2.2%から2.3%に引き上げられたことにより、障害者を雇用しなければならない民間企業の範囲が、従業員数45.5人以上から43.5人以上の企業に拡大されます。

常時雇用する労働者とは、1週間の所定労働時間が20時間以上で、1年を超えて雇用される見込みがある、または1年を超えて雇用されている労働者のことをいいます。

なお、このうち、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の方は、短時間労働者となり、0.5カウントで判断することとなります。

<ケース1>
・正社員(週所定40時間):30人
・短時間労働者:30人

正社員30人+短時間労働者30人×0.5=常時雇用する労働者数45人
≫ よって、障害者を雇用しなければならない企業に該当します。

<ケース2>
・正社員(週所定40時間):20人
・短時間労働者:40人

正社員20人+短時間労働者40人×0.5=常時雇用する労働者数40人
≫ よって、障害者を雇用しなければならない企業には該当しません。

対象企業に該当した場合は、毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告する必要がありますので、ご注意下さい。

<参考>厚生労働省HP

☞ 令和3年3月1日から障害者の法定雇用率が引き上げになります

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


同一労働・同一賃金の中小企業適用

施行日:2021年4月1日~
対 象:中小企業(大企業は2020年4月から適用)

働き方改革関連法の1つとして、パートタイム・有期雇用労働法が成立し、中小企業は2021年4月1日から同法に基づく同一労働・同一賃金のルールが適用されます。

本改正のポイントは
(1) 不合理な待遇差の禁止
(2) 労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
(3) 行政による事業主への助言・指導等や、裁判外紛争解決手続(行政ADR)の整備

となります。

特に(1) (2)の対応において、自社の正社員とパート・アルバイトの仕事内容や責任の程度等に違いがあるかについて職務分析を行い、支払っている手当が「誰に対して」「何を目的に」支払っているのかを、今一度確認することが求められます。

特に手当については、トラブルとなった場合に細かくチェックされますので、整理することをお勧めします。

<参考>過去記事

☞ 実務に役立つ!労働裁判例シリーズ ~同一労働・同一賃金編~

 >>> 詳しくはこちら


今年11月に、同一労働・同一賃金に関する最高裁判決が5つ出ました。
うち、賞与・退職金に関する裁判は、非正規社員に対して支払わなくても不合理ではないとの判決が出ましたが、その前提条件として、その会社では正規・非正規社員間で職務内容や責任の程度等が異なっていたという点がポイントです。

職務分析を行い、待遇差があるのであれば、その理由を説明出来るよう準備をしておきましょう。

<参考>過去記事

☞ アルバイトに賞与を支払わないことは違法? ~最高裁判決の本当の意味とは~

 >>> 詳しくはこちら


70歳までの就業機会の確保

施行日:2021年4月1日~
対 象:すべての企業

少子高齢化による労働人口の減少や、健康なうちは働き続けたいと思う高齢者が増えていることに対応するため、高年齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就業確保が努力義務としてルール化されます。

企業は、以下の①~⑤のいずれかの措置を講じるよう努める必要があります。

① 70歳までの定年引き上げ
② 定年制の廃止
③ 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
④ 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤ 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
 (a)事業主が自ら実施する社会貢献事業
 (b)事業主が委託、出資(資金提供)等をする団体が行う社会貢献事業

現行は60歳定年・希望者については65歳まで継続雇用をするルールですが、定年年齢については段階的に引き上がっており、2025年4月から65歳定年制が全ての企業に適用されます。

本改正も努力義務としてのスタートですが、今後70歳定年が義務化されることは想像できますので、将来を見据えて自社での対策について検討を始めてもよろしいかと思います。

<参考>厚生労働省HP

☞ 高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


中途採用者比率の公表義務

施行日:2021年4月1日~
対 象:常時雇用する労働者数が301人以上の企業

労働政策総合推進法が改正され、常時雇用する労働者数が301人以上の企業については、直近3事業年度分の中途採用比率について、求職者がインターネット等で簡単に確認できる方法で公表する必要があります。

公表する必要のある中途採用比率とは、「正規雇用労働者の採用者数に占める、正規雇用労働者の中途採用者数の割合」のことを指します。

中小企業は、元々中途採用比率が高いですので、新卒一括採用を行う大企業に対する雇用の流動化を促すための法改正ではありますが、人数要件に該当するのであれば、全ての会社に公表が義務付けられますのでご注意ください。

とは言え、採用関連で苦慮されている中小企業は多いかと思います。
本改正とは関係はありませんが「ユースエール認定制度」をご存じでしょうか?

ユースエール認定制度とは、若者雇用促進法に基づき、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度のことで、企業が求める人材の円滑な採用を支援し、若者とのマッチング向上を図るための制度になります。

自社の採用対策のご参考にされてはいかがでしょうか?

<参考>厚生労働省HP

☞ ユースエール認定制度とは

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


65歳以上の副業者への雇用保険適用

施行日:2022年1月1日~
対 象:すべての企業

2022年の改正内容ですが、1月から施行となりますので取り上げました。
雇用保険法が改正され、65歳以上の副業者の雇用保険の適用に関するルールが変更されます。

<現行ルール>
以下のいずれの基準も満たした者が、雇用保険の被保険者となる。
(1)1週間の所定労働時間が20時間以上であること
(2)31日以上引き続き雇用されることが見込まれること

この基準は、1つの事業主毎で判断します。
よって、副業をしている方で「本業先の所定労働時間15時間」「副業先の所定労働時間15時間」の場合、合計すると30時間とはなりますが、本業・副業先共に雇用保険の被保険者とはなりません。

<改正後ルール>
以下のいずれの基準も満たした者が、被保険者となります。
(1)1つの事業所における1週間の所定労働時間が20時間未満であること
(2)2つ以上の事業主の適用事業に雇用される65歳以上の者であること
(3)2つの事業主の適用事業における1週間の所定労働時間の合計が20時間以上であること

よって改正後は、65歳以上の副業をしている方で「本業先の所定労働時間15時間」「副業先の所定労働時間15時間」の場合、合計すると30時間となり、雇用保険の被保険者となることが可能になります。

なお、この65歳以上複数就業者の雇用保険特別加入については、あくまで「労働者からの申し出」により適用されますので、基準を満たせば自動的に被保険者となる訳ではありません。


重要な法改正が2022年以降も沢山控えている

今回は2021年に施行される法改正情報をお届けしましたが、2022年以降も重要な法改正が沢山控えております。

2022年4月~
・中小企業のパワハラ防止法適用
・60~64歳の在職老齢年金・支給停止基準額の引上げ
・厚生年金:在職定時改定の導入
・女性活躍推進法の改正(100人超企業も情報公開の対象)

2022年10月~
・短時間労働者の社会保険適用拡大(300人超→100人超の企業)

2023年4月
・月60時間超残業の割増率引上げ:中小企業への適用開始

2024年10月
・短時間労働者の社会保険適用拡大(100人超→50人超の企業)

来年も引き続き、皆様にお役に立てるよう情報発信をして参ります。



KING OF TIME 情報


今回は、勤怠管理をする上でとても便利な「カスタムデータ項目設定」をご紹介いたします。

◆ カスタムデータ項目設定とは
◆ 在社時間を表示するメリット



カスタムデータ項目設定とは

日別データ、月別データ、タイムカード画面などに表示される勤怠項目の項目名や並び順を変更したり、複数の項目を加減算して新たな勤怠項目を作成したりすることができる機能です。

既に本機能をご利用いただき、独自のタイムカードを作成いただいている企業も多いかと思いますが、どのような場面でご利用いただけるか改めてご案内いたします。

1. 在社時間(拘束時間)の把握
2. 雇用調整助成金の項目作成
3. 作業時間の記録・集計の表示      など


その他、既定のタイムカードでは分割される項目を合算してご確認いただくことも可能です。
(残業時間と深夜残業時間を合算し「残業合計」を作成など)


☞ 集計項目をカスタマイズできますか?

 >>> 詳しくはこちら

今回は、カスタムデータ項目でご利用いただきたい項目の中から、「在社時間」を表示するメリットをご案内いたします。

在社時間を表示するメリット

「在社時間」は、既定のタイムカードには表示がありません。
リアルタイムに労働時間と在社時間(拘束時間)の乖離をご確認いただくには、カスタムデータ項目での作成が必要となります。
離れた拠点で勤務される従業員の働き方の可視化などにお役立てください。

日別データ
在社時間 -(労働時間+休憩時間)=乖離時間
該当日は、1.00時間の乖離が発生しています。

日別データ


月別データ
在社時間 -(労働時間+休憩時間)=乖離時間
該当月は、合計3.00時間の乖離が発生しています。

月別データ

☞ 在社時間(拘束時間)を算出することはできますか?

 >>> 詳しくはこちら



サポートセンター 年末年始の営業時間


誠に勝手ながら、下記日程を年末年始休業とさせていただきます。
2020年12月26日(土)~ 2020年1月4日(月)

本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は、「配置転換や出向の有効活用」についてお伝えする予定です。

2021年もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

 
 
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