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「KING OF TIME」
単なる勤怠管理ではなく、
経営全般を見渡すためのツール

ホテルオークラ
エンタープライズが実現した
効率的な勤怠管理手法とは?

多くの企業にとって、従業員の勤怠管理は大きな負担となる業務だ。特に、社員だけでなく、パート、アルバイト、期間契 約、派遣と多様な雇用形態を持つ業種にとっては深刻な課題となりがちだ。そんな勤怠管理をITシステム化し、効率を上 げることに成功している企業の 1つが、今回紹介するホテルオークラエンタープライズだ。どのようなシステムを組み込むこ とで、勤怠管理の効率化に成功したのか、話を伺った。

タイムカード替わりの
システムからスタート

店内の様子

ホテルオークラエンタープライズは飲食、小売、サービス業をメインとする企業だ。「ホテルオークラ」のレストラン運営や食品販売などがメインとなるため、業態や雇用形態が複雑で、各拠点の適正な人員配置や残業時間のコントロールなどが難しかったのだという。そこで、クラウドサービスであるヒューマンテクノロジーズの「KING OF TIME」を導入。各拠点に指紋認証による勤怠システムを配置することで、これまでの課題を克服。勤怠管理を高効率化させただけでなく、本社が全店舗の人員を管理できるようになったことから、人件費の掌握や当期予算進捗、予算立てなども可能になるなど、同業務において大きな進歩を実現してきた。

継続的に行われてきた
ユーザーニーズに応える機能拡張

管理部長 根岸氏

同社が「KING OF TIME」を導入してから7年。同サービスは年に 3回程度のペースで機能拡張を続けてきた。「当初は、基本的な機能しかなくて、シンプルそのものでしたが、使い込んでいくうちに、せっかくのクラウドサービスなのだから各拠点でも人件費管理に役立てられないか、といった細かなニーズが出てきました」とホテルオークラエンタープライズ管理部 総務人事の柴田麻記氏は語る。勤怠管理は給与、人事や労務といった部署と直結するため、そのようなニーズが出てくるのは当然の流れだ。

もちろん、そのようなニーズが出た場合、コールセンターに問い合わせをすることになる。「質問をすると、現状の機能で出来ること、出来ないことがはっきりします。それが分かるだけでも、システムの運用がしやすくなりますから、コールセンターへはよく問い合わせをしますね」と高橋氏。企業ごとの質問のすべてに完全な答えを用意することは難しいが、そのようなケースにおいても意見を汲み上げて、次第に機能拡張へ反映していくというスタイルが「KING OF TIME」の特長でもある。

「例えば、後に拡張された機能で『管理者権限機能』がありますが、弊社のように拠点が多数ある事業者の場合は、ある程度現場に権限を委任することもあります。権限設定が細かくできるようになったので、管理が楽におこなえるようになったのは良かったところです」と高橋氏は語る。勤怠データは第三者に見せられる類いの情報ではないため、こうしたきめ細かい権限管理は大切な機能といえる。

「私達のように本社で各拠点のデータをまとめる部署にいて良いと感じる機能は『管理者操作ログ』ですね。ある程度権限を委任していますから、勤怠データの編集も拠点ごとにおこなえるようになっています。しかし、ちょっと見ただけでは分かりづらい編集がされていることがあるのですが、履歴を辿ることで電車の遅延があったり、繁忙期で休息が取りづらかったために編集したりといった内容が見えるようになります。これは、後の指導の仕方などに大きく影響するので、あ ると便利な機能だと思っています」と語るのはホテルオークラエンタープライズの管理部部長である根岸秀樹氏。機能の拡張が、企業単位の実務におけるデータ活用に貢献し ている一例といえるだろう。

勤怠管理は
打刻させることが最大の目的

導入された指紋認証システム

「勤怠管理ですから、各従業員が打刻してくれないことには成立しないのです。ですからある意味、この7年で最も進歩したのはレコーダーかも知れません」と語る根岸氏。ホテルオークラエンタープライズが「KING OF TIME」導入当初に用いた打刻システムは指紋認証によるものだった。

「レストランもあるので、洗い場担当の従業員も居ます。出勤の打刻は問題なくても、1日の労働を終えると指先がふやけてしまい、退勤の打刻が出来ないという例もありましたね」と当時を振り返る柴田氏。「そこで、最近では指紋と指静脈を読み取る方式のレコーダーに入れ替えました」と高橋氏は語る。同社が導入したのは「非接触型指ハイブリッドスキャナ」で、指紋情報と指静脈情報を同時に読み取ることで、指先の状態や血流の強弱などに影響されず、より確実な本人認証を可能とする最先端の認証装置となる。「これを導入してからは、指紋が読み取れないという理由で打刻が空白になる状況が劇的に減りました」と高橋氏はいう。

「弊社の場合、繁閑がどうしてもありますから、忙しい店舗へ人員を移動させるケースも出てきます。そうした場合でも、他拠点で打刻しても本人を認証する『ヘルプ』という機能があるので、正確な管理が継続できるのもメリットです。やはり、指紋認証と静脈認証でやっていますから、本人しか打刻できませんので、関係省庁から調査が入った際でも、信用度が高い点も安心できる材料になっています」と根岸氏はいう。

当初は指紋認証に難色を示す声もあったという同社だが、現在では企業文化としてしっかり根付くまでに至っているのだという。「恐らく、これからカードに替えますと言ったら、反対の声が大きいでしょうね」と高橋氏は笑顔で語る。

勤怠管理に紐付く業務と連携

KING OF TIME 管理画面

ホテルオークラエンタープライズの「KING OF TIME」には約 1,600名の従業員が登録されている。「常時動いているのは 7〜800名、繁忙期になるとこれに数百名が加わることになります。実は2015年1月より、期間限定の従業員も『KING OF TIME』で統一して管理することが決まりました」と高橋氏。繁閑の差が激しい業種において、繁忙期のみの従業員は、紙ベースの手計算によって管理されることが多い。しかし、そうした期間従業員への賃金も見える化することによって、管理はしやすくなるうえ、コントロールも容易になるという判断だ。「油断していると、経営全体に影響する部分ですから、変動する値を見えるようにすることで、よりよい経営に役立ててもらいたいですね」と柴田氏は語る。

「クラウドサービスという形態であるにも関わらず、バージョンアップで欲しい機能が使えるようになるのは、身軽で活用メリットが高く感じます。導入当初から基本設計は良く出来ていると思っていましたから、給与や人事、労務といった関連業務と紐付けられるようになると、もっと素晴らしいと思います。いろいろと期待できる頼もしいツールですね」と最後に根岸氏は語ってくれた。

多くの人に快適で贅沢なサービスを届けてくれるホテルオークラエンタープライズ。勤怠管理に「KING OF TIME」を活用することで、多方面で業務効率を向上させていることがわかった。今後も企業発展のため、同サービスがその一翼を支えてくれるだろう。

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